顕彰碑に慰霊後、明治41年に建てられた資料館を見学。歩兵第30旅団司令部、歩兵第51聯隊、第151聯隊、第33聯隊、第133聯隊と日露戦争の旅順・奉天開戦、武漢、で勇敢な戦いの記録がありました。
その後、 レンジャー資格授与の祝辞を致しました。
『第45期 久居レンジャーの諸君。
陸上自衛隊で最も過酷な訓練である、レンジャー課程の教育訓練、きびしいなかで、最後まで、よく頑張った。
レンジャーとは、陸上自衛隊の精鋭隊員に与えられる名誉ある呼号であり、旺盛な気力・体力によって、常に士気を旺とし、団結を強固にし、過酷な事態に挑戦し、あらゆる困難に打ち勝ち、立派に任務を果たす事のできる隊員に授与される、特別な資格である。
基礎訓練で、体力を錬成、持久走や障害物走路、生存自活、ゴムボート操作の個々の技術を身に着け、山岳訓練で、ロッククライミング、リペリング、ロープ橋、患者搬送などの基礎技術を取得し、行動訓練で近畿地方の険しい山々をめぐり、様々な任務に挑戦した。
飲まず、食わず、寝ず。食料の携行量も、睡眠時間も、水の量もどんどん制限され、仲間の重い荷物を背負い、地図とコンパスを頼りに、けもの道を探し、よく目標地点に到達し、立派に任務を達成した。
この訓練を通じて、肉体的・精神的な強さだけでなく、任務を達成するための使命感や、責任感、仲間としての助け合いの心や団結力、そして、いかなる困難にも負けない旺盛な士気と忍耐力、生き残る知恵と勇気も身に着けた。
私も、かってレンジャー訓練を受けましたが、レンジャーで身につけた、一つ一つが、今でも、自信と誇りとなって、いろんな局面で人生を助けてくれました。そして、何よりも感謝するのは、新しいことに挑戦する勇気と自信を得た。
人間は、諦めなかったら何でもできる。人は、鍛えれば鍛えるほど強くなり、苦しい経験をした人ほど、強く、忍耐強くなる。それは、筋肉痛や精神的ストレスのように、最初は苦痛で痛くなりすが、その痛みや悩みは、強くなっていることの成長の種である。
諸官は、今後、いろいろな局面に遭遇するだろうが、この訓練で身につけた、自信と誇りを持って、最後まで諦めずに、リーダーシップを発揮し、自己への挑戦を続けてくれ。自分の限界は、自分ではわからない。人間はもうだめだと思っても、まだまだできる力が残されている。レンジャー訓練は、その限界に挑む訓練であり、その限界を伸ばし、もっともっと大きな、新たな目標を達成する力となるはずだ。
自衛隊は、いかなる時でも、この国を守り、国民の生命・財産を守るという使命がある。いつ何時、非常呼集がかかるかわからない。
でも、皆さんは大丈夫だ。すでに、立派なレンジャー隊員になられたから。これからも、多種多様の与えられた任務を完遂されるよう、皆さんの健康と幸せと、自らの人生における任務遂行を心から祈念し。レンジャー訓練の無事終了の祝辞とする。』
令和元年 6月 28日
衆議院議員 元 防衛大臣 中谷元