龍馬マラソンに向け練習。

龍馬マラソンに向け練習。

 

五台山の武市半平太(瑞山)生家には、志半ばで切腹をさせられた時世の石碑があり、その無念の思いに感ひとしおです。

「ふたゝびと 返らぬ歳を はかなくも 今は惜しまぬ 身となりにけり」

「花は清香 に依 って愛せられ。
人は仁義ぎ を以って栄かゆ。
幽囚、何ぞ恥ずべけんや。
只、 赤心の明らかなる有り」

花依清香愛。人以仁義榮。
幽囚何可恥。只有赤心明

花は清らかな香りによって人に喜ばれ、
人は仁義によって、人の輝きを増していくものである。

いま、私は獄に繋がれてはいるが、少しも恥とは思っていない。
なんとなれば、私の行為は、偽りのない忠義の心だけから出たものであることが、はっきりしているからである。

投獄された一年十ヶ月の間に作られた詩で、囚人として獄中にはあっても、人が人たる所以である仁義に悖らぬ以上、少しも恥とすることはない、と己の信念を述べている。

花にとっての清い香りと、人における仁義とが、同じ根のものであるなら、仁義を守る以上、時代は移っても、常にわが心は人に清らかな香りを与え得る。

獄中で作られたものとあって推敲の余裕もなかったが、知己を後世に俟つ心を淡々と述べ、感慨深いものがある。

武市半平太が、明治に生きていれば、日本を動かす大政治家になっていたでしょう。