総選挙では、自民党が単独で絶対安定多数の261議席を維持。これは岸田政権に政権交代は望まないが、敵と味方を分けて、数の力で押し切るような政治でなく、丁寧で寛容な政治で『聞く力』を持っていくことなど、国民が求めていた政治姿勢が評価されたということです。投票率が上昇しても、自民が無党派層にも浸透して、若者も女性も新政権に期待してくれました。普通なら無党派層の投票が増えると自民党が負けるはずが、 新しい世代 にも、政府に期待して、全国的に票を伸ばしました。自民支持が多い若年層の投票率が比較的堅調で、緩やかな自民支持層も投票に回り、自民のパイが広がりました。私もテレビに出て、丁寧に質問に答えていますが、国民に今の政治を説明しておくことが大切です。野党共闘も 無意味ではなかったが、もめ過ぎました。立憲民主党も共産党も議席を減らしましたが、前回衆院選で野党候補の合計得票が自民候補を上回った64の選挙区のうち20以上で自民党が負けています。候補者の調整で共産党が条件をつけすぎ、連合や無党派の支持が離れ、日本維新の会が候補者を出したことで自民党が助かった選挙区もあり、もし、維新が出ずに野党統一候補になっていれば、自民党はさらに負けていたでしょう。今後、維新は野党共闘にくみしないし、希望の党の票がベースで、自民にも、立民にも入れたくない人たちですから、政権寄りになった途端、自民に入れたくない人の票が離れるでしょう。日本では、中間政党はなかなか根付きません。日本新党も新自由クラブも消えました。与野党どちらかにくみすれば吸収され第三局は難しいでしょう。日本の選挙は実質、自民党に入れたいか入れたくないかの選択であり、野党は与党の失点で伸びるしかないわけだから、自民党が訴えた政策が実現できなかった時の矛盾点などをしっかり指摘されるとき危機が訪れてきます。自民党の派閥や霞が関との関係は支持率次第であり、内閣支持率が高かったら派閥なんか口出しできないし、衆議院選挙勝利で、岸田総理を代える必要はなく、支持率が安定すれば、政権に力ができて、おのずと人が寄って来ます。大事なのは言ったことは実現すること。できないことは言わないこと。真面目に誠実にやるべきことをしっかりやっていくことです。官僚だって、この人のためと思えば一生懸命働くようになるでしょう。当面の政策課題は、コロナのワクチン接種で第6波を抑え込むこと、次の波が来たとしても、必要な人が入院できる体制を整えること、「成長と分配」の経済政策の実現を図ることです。所得倍増計画とデジタル田園都市構想で、景気も地方分散も、ぐーっと上がっていくと思います。岸田政権は、国民が期待を持てるような政策を訴えて、半歩でも一歩でもいいから前進させていくことが政権を維持する方法です。国会も、穏やかで丁寧な国会運営をやって、野党にも時間を与え、国会論戦を国民に見せ、熱心に与野党で議論し、手順を踏んでしっかりやると、反対者も理解と納得して、国民の共感が得られるようにすれば、支持率を上げることとなります。丁寧で寛容な政治と聞く力をきちっとやっておけば、支持は長続きし、参院選もこのまま行くでしょう。岸田政権は打ち出しは低いけど、控えめでも真面目で、地味で穏やかな政治家は、信頼を持たれるでしょう。岸田政権で、やると言ったことをきちんとやって、政権が長続きするように全力を上げます。