世界各国の政治が不安定化する中で、日本の政治も今年は大きな転換点を迎えています。
米国、英国、フランスで政権が代わり、インドネシア、フィリピン、タイや台湾では、新しい指導者が登場し、韓国では「非常戒厳」を宣言してから1か月になりますが、警察などでつくる合同捜査本部が内乱を首謀した疑いでユン大統領の拘束令状をとり、いつ執行するのかが焦点となっており、航空機事故もあり、大変混乱しています。
今年は、ウクライナやパレスチナ情勢もこう着したまま、世界の分断化が進んで、国際政治情勢も情報が氾濫し、一層複雑で統治できなくなっており、経済も、社会も、安全保障も、ネット社会による新しい価値観と無責任な情報と読みづらい国民感情に動かされ、統制できない、複雑な情勢となっています。
我が国でも、昨年の総選挙で自民党は過半数を割り込み、少数与党となったため、石破内閣は昨年の臨時国会で24年度補正予算案、政治改革法案ともに、与党が野党の主張に応じる格好で成立させました。
石破内閣は、これまでの自民党の姿勢を深く反省をして、憲政の原点に立ち返り、与党としても、謙虚に野党と議論を重ね、政党間協議で各党が案を出して一致点を探ろうと「熟議の国会」を心掛けており、『憲政の常道』による国政のあるべき姿に立ち返り、『与野党が共に議論』して、法案の内容を決め、予算や法案の審議をしていこうとする謙虚な姿勢で臨んでいます。
政党間の政策協議は大変、手間はかかりますが、熟議によって、国民の理解、共感、納得感の高い政治につながり信頼を回復できるものであり、今後とも言論の府である国会として、各党協議、議論で熟度を高めていくよう努めていきます。
但し、熟議には時間がかかります。国会での議論も、野党が時間稼ぎをすれば、物事の決定の時期を失してしまうこともあり、お互いに責任ある政党として、決然と決める時は、未来を見つめて英断を持って決めていかねばなりません。
7月には政権の在り方を左右する参院選があり、予算や重要事項は、国会で結論を得て、国民に審判を仰がねばなりません。甘い政策を立てて、人気取りや党利党略のために法案を人質にした衆愚政治は未来に禍根を残すものであり、野党にも良識と責任が問われており、立場や状況を考え、各党が国民本位の視点、姿勢を強く持っていくことが求められています。
『国民の未来にも責任を持つこと。』『国家安泰の大道を進んでいくこと。』それをもとめることが『憲政での国会議員の責務』であり、『国民政党の使命』です。政府としても、国民生活に責任を持ち、与野党が混乱し、国政が停滞する事態を招いてはなりません。
24日からの通常国会が始まりますが、25年度予算案の審議、政治改革協議、少子高齢化、人口減少、物価高、賃上げ、米中関係や東アジア情勢の緊張など、日本の課題は多岐に及んでいます。
中でも国民民主党との「年収103万円の壁」の税制改革関連法案は、いずれも合意のハードルが高いテーマがありますが、しっかりと政党間協議をして、日本経済の再始動への対応ができるようにしなければなりません。
外交、安全保障も、石破内閣として、日本は主体性と主導性を持って、アジアのリーダーシップを発揮し、課題解決への議論をけん引することが不可欠です。その一貫した姿勢と信念で、党内改革を進め、政治基盤の強化を図っていかなければなりませんが、まさに8月の参議院選挙までが正念場であり、『毎日が真剣勝負』です。
どのような局面にあっても、国民の信頼、納得に値する行動、判断を基本として政治決定をしっかりとスピード感を持って、決断して実行できなければなりません。以上、新年の所感を述べました。
今年の元旦は、石川県の能登半島地震から1年での追悼式が輪島でありました。石破総理、岸田前総理とともに参列し、犠牲となった方々への弔問をいたしました。早期の災害からの復興を図らねばなりません。
今年も、よろしくご指導をお願いします。令和7年 1月4日