4日のG7外相会議の議論では、中国の人権侵害問題について、各国から強い懸念が示され、世界人権宣言や国際的な人権規約に言及したうえで、中国の人権問題は国内問題ではなく、中国が署名した国際的な義務に従って行動するべきだとしました。日本政府は、香港情勢や新疆ウイグル自治区の人権問題についても懸念を表明し、G7を中心に国際社会が一致したメッセージを出すことの重要性を指摘しましたが、実際の対中人権制裁は、日本が制裁をして、取り組んでいる姿を国際社会に示していません。中国政府による新疆ウイグル自治区におけるウイグル人への深刻な人権侵害については、米国と英国、カナダ、欧州連合(EU)は、すでに中国当局者に資産凍結などの制裁を科して、ひどい人権侵害をやめさせるため足並みをそろえています。先進7カ国(G7)で日本だけが制裁をしていませんが、「日本は人権問題の解決を希求する国ではなかったのか。亅「中国政府がそれほどこわいのか。亅「人権、人道を重んじる国ではないのか。亅と指摘されます。100万人以上のウイグル人が強制収容所で苦しんでおり、女性への不妊手術の強要などが横行している事については、ブリンケン米国務長官は、「ジェノサイド(民族大量虐殺)亅と認め、人道に対する罪を犯し続けている中国政府を非難し、友邦諸国と連帯して、中国政府および中国共産党の残虐行為を白日の下にさらすことを目指しています。日本政府は、「EUなどの対中制裁について「考え方は完全に共有している」と言っているのに、制裁をためらっており、G7で考え方を共有していると日本が言っても中国には馬耳東風に聞こえるでしょう。官房長官は「現行の外為法には人権問題のみを直接、あるいは明示的な理由として制裁を実施する規定はない」と制裁に後ろ向きの姿勢を示していますが、ウイグル人への人権侵害に「深刻な懸念」を表明しているにもかかわらず、外為法の法解釈を理由に及び腰になっていますが、本当に懸念しているのであれば、外為法に頼らずとも、閣議決定やその他の法律、外交行動を用いて、いくらでも制裁できるはずです。日本も早期に人権侵害制裁を可能にする法案を成立させ、人権侵害には公然と制裁を行う仕組みを作っておかなくてはなりません。中国は変わったのでしょうか。何も変わっていません。間違ったことには、それをやめさせるための態度で示すこと、「言うだけ番長亅では、G7や国際社会での信用を得られず、大変、恥ずかしい対応です。